ホンモス




 通常「アラブ料理」と言う時のそれは「レバノン料理」を指している事が多い。
 そのレバノン料理において、ホンモス(フムスと表記する人もいる)という「ひよこ豆を潰して、練りゴマなどと混ぜた」料理はあくまでも前菜というカテゴリーの中にある。

 ところが湾岸諸国の一部では、このホンモスがメインディッシュという食堂をよく見かける。メニューがない場合が殆どで、あっても「ホンモス」と「フール」(スーダンなどでよく食べられている。ひよこ豆の代わりに赤豆を使う)しかない。

 これが低所得な出稼ぎたちの”ソールフード”的な地位を確立している。
 1杯のホンモスに玉ねぎなどの付け合せとピタパン3枚付いて8リヤル(約240円)。オリーブオイルを好きなだけふりかけて食べれば、これだけでお腹いっぱいになれる。

 そんなホンモス専門店に、以前からパキスタン人の元同僚と一緒に毎週通っていた。
 古い商店通りの一角にあるその店は、イラン人の店主が切り盛りしていて、いつも出稼ぎたちで溢れていた。カタール人たちも店の前にランクルを乗り付けて、大量のテイクアウトを注文。
 その店が去年の暮れに突然休業し、そしていつの間にか閉店に。

 店の周辺では、ビルのオーナーとの金銭的トラブルが原因だと囁かれていた。

 以来ずっと移転先を探していたのだが、昨夜やっと以前とは隣の地区の少し入り組んだ路地にあるのを発見。
 味もボリュームも値段も相変わらずだったが、無料で飲み放題だった水がペットボトルで有料に変わっていたのが、ここ数年の物価の上昇を物語る。

 それにしたって未だまだコスパは最強。
 また週一で通うことになりそうだ。

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