確かめる為の方法は



 もうすぐ今年のラマダーン月。
 明日15日の夕刻、日没直後に東の空を登ってくる細い新月が目視できたら、翌日から断食が始まる。厳密に言えば、新月が観測された日からラマダーン月なので、夜の礼拝に続く長いタラフィーハの礼拝はこの日から始まることになる。

 毎年この時期になると、新聞などで「観測データによる今年のラマダーン開始日」が報じられる。それによれば今年は15日の日没後は新月ではないため、ラマダーンは17日からになると言われている。

 計算上は確かにそうなのだろう。しかし、世の中には人の知の及ばないことがまだまだたくさんある。見えないと断言することは危険だ。そもそも「肉眼で目視」することが条件なのだから、例え計算可能な現象であっても目で探す必要がある。

 思えば、デジタルという目には見えない伝達方法が世界を覆い始めてから、人は「その目に見えること」「その手に触れるもの」という実感を蔑ろにしてきたような気がする。
 見えるか見えないか、それすら判らないという状況をむしろワクワクしながら待つほうが、その瞬間をもっと強く噛みしめることができるのではないのだろうか。