夢見る君へ

 初めての海外、目にしたものが全て新鮮でたまらない。
 帰国しても夢の中にいるかのよう。

 「いつか絶対あの国で暮らすんだ」

 そういう気持ちになった人は少なく無いだろう。

 でも多くの人は現実という壁に突き当たり、周囲を見渡して我に返る。
 あるいは、目標を現実に置き換えられるように、用意周到に努力を重ねる。

 そのどちらでもない人が時折いる。
 行けばなんとかなるだろう。誰かが助けてくれるハズ。自分はいつだって運がいい人間だ。
 そういう根拠の無い自信に満ち溢れた人。そして得てしてそういう人ほど無能だ。

 当然ながら、なんともならないわけで、そうなると今度は周りのせいにし始める。曰く人種差別だの、外国人差別だのと。

 現実をしっかり見なさい。
 ただ日本の大学を出たというだけの、専門性も身についていないような人間を誰が雇いたいというのか。まして言葉も出来ないのではお話にならない。

 手に職があっても、言葉がある程度分かっても、今度は「月給5万円以下でも働く出稼ぎ労働者」と職を奪い合うことになる。ローカルのようにオフィスで優雅にお茶でも飲みながら仕事?寝言もほどほどに。そんなものは10年早い。

 日本人は「よく働く」そして「何でも出来る」。それが逆にハードルを上げていることに気がつこう。つまり期待値が大きい分だけ、結果が伴わなかった時の相手の落胆も大きい、すなわち実際以上に評価を下げてしまうということだ。

 遊んで暮らすのと、働いて暮らすのとでは、同じ土地に居ても見え方は全然違う。
少なくとも働いて暮らすという現実の中においては、どんな土地にいてもその違いは殆どないだろう。