宗教

 公共の場やビジネスの場において相手の宗教や信仰に言及することはマナー違反というのは西欧などでは常識だと思う。

http://www.huffingtonpost.jp/triport/religion_b_8248562.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 それにしてもこの記事、あまりにカジュアルに書きすぎていてちょっと恐い。

 アラブでは相手によりけりだが結構頻繁に聞かれることがある。
 ただ私の場合は常にカタール人と同じ服装をしているために、最初から「あなたはムスリムですか?」と言われてしまうが。

 湾岸諸国に駐在などでやってきた日本人の多くが、カタール人や他国アラブ人から「イスラーム」についてとうとうと語られた経験を持つと思う。
 その時、日本人はつい「相手の気分を害してはいけない」という思いから、適当に相槌を打ったり、時には「それは素晴らしい考え方ですね」と同意を口にする。残念ながら相手はそういう答えに「この人は脈がある。改宗してくれるかもしれない」と考える。

 時折、日本からのお客さんを連れてドーハ市内を案内したり、あるいはアラブ人の友達から知り合いだという日本人を紹介されたりする。日本人がその場からいなくなったあとで、その場にいたアラブ人から例外なく「あの日本人を改宗させるべきだ。君は同じ日本人だろう、イスラームの話をしてあげた方がいい」と言われる。例外なく、だ。

 別に自分たちのテリトリに取り込もうとか思っての発言ではない、お布施などという考え方のないイスラームでは、友達が入信したからといって何か得なことがあるわけでもない。単純に「イスラームを知らないなんて可哀想」という発想から来る「余計なお世話」なのだ。

 私自身は日本人としての受け止め方を理解しているから、彼らの言うようなことはしないが、中にはアラブ人から直接電話を何度もされて、怖くなって連絡を絶ってしまう日本人もいる。「どうしてMr.◯◯は電話に出てくれないんだ?」という相談が時折舞い込む。そりゃそうだろう、場を壊さないために適当に愛想を振りまいただけなのに、本気にされたんじゃ怖くもなる。

 しかし相手は日本人ではないのだ。日本人的な阿吽の呼吸を求めても仕方がない。
 宗教の話を振られたら、自分は一切興味が無いという態度が一番。ビジネスが主体の関係なら(そもそもそんな話は持ち出さないだろうが)、そんなことで相手が機嫌を悪くするようなことはない。

 Noと言える日本なんてのが昔流行った。別段そこまで否定的な態度を取る必要はないが、曖昧な愛想笑いは誤解を生む元であることは意識した方がいいだろう。